タングステンの指輪、見たことありますか?
シルバーや金、プラチナと比べると、まだまだ広まっていないタングステン。
海外では、結婚指輪としてのブームが数年前にありました。
その魅力からオススメのデザイン、危険性まで解説します!
【1】タングステンの基礎知識
タングステンとは「ダイヤモンドの次に硬い」とされる、レアメタルの一種です。
間違って覚えている方もいらっしゃいますが
タングステンはレアメタルであり、貴金属ではありません。
指輪として人気を博していますが、貴金属とは
希少性のある化合物を作りにくい金属、かつ高価で美しいもの、とされています。
【じゃあ貴金属ってなに?】
貴金属は8種類の金属
(金・プラチナ・銀・パラジウム・イリジウム・オスミウム・イリジウム・ルテニウム) のことのみを指す言葉です。
貴金属ではないですが、近年指輪として出回るようになり
数年前から結婚指輪としても注目されています。
近年流通が増えた理由としては、「加工できるようになったから」ということが第一の理由です。
タングステンは硬く、弾力性があるため、加工が非常に難しい金属でした。
しかし、近年の技術の進歩によって加工の難易度が下がり、指輪などのアクセサリーとして一般的に出回るようになりました。
こうして出回り始めたタングステンの指輪ですが、その魅力は他にもいっぱいあるのです。
その理由をこれから解説していきます!
【2】タングステンの指輪の魅力6つ
1.変形・傷に強い
タングステンは「ダイヤモンドの次に硬いとされる」と前述したとおり、とても硬いです。
昔、私もタングステンの指輪に全力ニッパーチャレンジしたことがあります。
足も使って力入れたのですが、傷一つつかなかったです。
私の筋肉が先に悲鳴をあげましたよ。
それだけ硬いので、指輪で気になりがちな小傷や歪みもへっちゃら!
シルバーや金のリングは細かい傷のせいで光沢の輝きが減ってしまいますが
タングステンは小傷がつきづらいので、光沢も失われにくいです。
大事な結婚指輪を傷つけたくない方にも、小傷がつきづらいのはうれしいですよね!
2.しっかりした重量感
地金買取業界では有名ですが、タングステンの比重は金と同じくらいなので、タングステンはほぼ金と同じ重さなのです。
【比重とは】
1立方センチメートルの水の重さと比較した重量比のこと。
わかりやすい例をあげましょう!
同じサイズの鉄のキューブと、アルミニウムのキューブがあったとします。
見た目のサイズは全く同じなのに、重さに違いが出ます。
鉄の重さは7.9g、アルミニウムの重さは2.7g。
3倍も違います。これが比重です。
この比重、金属の種類によって異なるのですが、タングステンは金とほぼ同じ。
タングステン19.30、金が19.32です。
だから金の偽物として地金取引市場で出回っており、買取側としては要注意だったりします。
つまりタングステンは金と同じような、しっとりと重量感のあるアクセサリーなんです!
アクセサリー大好きな方は、この指輪の重量感がたまらないですよね!
3.色あせない高級感
タングステンは錆びない金属ですので、シルバー等の指輪と異なり、お手入れがカンタン!
時間経過による劣化もかなり少ないです。
金やシルバーは、引き出しにしまっておくだけでも酸化や硫化をしますからね。
着けてても着けなくてもお手入れするのは面倒くさい!という私のようなズボラさんに、タングステンの指輪はぴったりです。
また、指輪でよくあるヘアライン加工やマット加工という表面加工も摩耗しにくい分、失われにくいです。
(金やシルバーは、使ってると表面加工が消えちゃうんですよね。)
※小さい石がついたデザインや、溝があるデザインは汚れがたまりやすいので
地金素材としてはかなり劣化しにくいですが、柔らかい布などで拭くお手入れをオススメします。
細かい溝がたくさんある場合や、汚れがひどい場合は中性洗剤&歯ブラシでお手入れがいいですよ。
4.スタイリッシュなデザイン
タングステンは加工が難しいというお話をしましたが
特に曲線や細かいディティールのデザインが苦手なので、直線的なデザインの指輪が必然的に多くなります。
この直線的なデザインが、スタイリッシュ!
変に流行のデザインなどが入りづらいので、何年経っても指輪のデザインが古くなることがありません。
ミル打ちと呼ばれる加工や唐草模様などの模様は、流行り廃りがあります。
タングステンのスッキリしたデザインは、それらと異なり、長く使えるデザインです。
長く使えるデザインだから、海外で結婚指輪として選ばれやすいんですね。
5.豊富なカラーバリエーション
一般的な指輪に多い、シルバー・金・プラチナは基本3色(銀色、金色、ピンク)ですが、タングステンはカラーバリエーションが豊富!
上記に加えて黒や青、赤、緑、オレンジなどの鮮やかなカラーもあります。
シルバーも燻しという手法によって黒味を出すことが出来ますが、くすんだ黒味になってしまいますよね。
また、燻しは摩耗で簡単に取れてしまいます。
(燻しは溝などに入り込んだ黒だけが残るのが魅力でもありますが。)
それに対してタングステンは、光沢のある高級感ブラックが可能です。
また、金色や銀色も貴金属に負けず劣らずの強い光沢があります。
6.文字デザインや彫刻が楽しめる
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しつこいですが、タングステンは硬いので、文字のデザインや彫刻がつぶれて消えにくいんです!
銀やプラチナ、金などは綺麗なレーザー刻印を入れても、表面は摩耗で薄く消えていってしまいますよね。
ところがタングステンの指輪なら摩耗しづらいので、文字や彫刻が長く楽しめます!
ブランドロゴや、お気に入りのマーク、恋人からのメッセージ・・・。
指輪に文字や彫刻が入っていて楽しめるデザインって、たくさんありますよね。
「どうせ消えちゃうから」って避けてきた方には、とってもうれしい!
【3】オススメのデザイン
■ ヘアライン&マット加工


光沢も魅力的ですが、ヘアライン仕上げ(ヤスリで同方向に傷を入れる加工)や
マット加工(砂を吹き付けて細かい傷をつけた加工)の指輪もオススメです。
直線的なデザインが、さらにスタイリッシュに際立ちます。
光沢で主張しすぎないところが、オトナ感。
光沢ラインが入ったデザインなら、両方を楽しめますね。
■ ブラックカラー


貴金属では出すことができない、深い漆黒が魅力的です。
普通の指輪に飽きた、という方にもGOOD。
シリコンやチタン、ステンレスでも黒色がありますが、
タングステンなら重量感がしっかりあるので、安っぽい感じになりません。
■ カーボンミックス

タングステンといえばカーボン。(真ん中の黒いライン部分がカーボン製です。)
カーボンは金属と違って独特の模様が入るので、普通の指輪とは違った楽しみ方ができます。
無機質なスタイリッシュさがあるので、シンプルなものを好む方にオススメです。
ここまでタングステンの指輪の魅力とオススメのデザインをご紹介してきましたが
タングステンの指輪には、使用する上で危険性を理解し、注意しなければならないことがあります。
ではここから、タングステンの指輪の危険性と注意点について説明します!
【4】危険性と注意点
■ きちんと外しましょう
タングステンは非常に硬い金属です。
もし骨折やケガなどで外すことが出来なくなった場合、通常の指輪を切る工具では切れないことがあります。
粘りがないので、ハンマーなどの衝撃で割ることも可能ですが、指の安全性を考えると危険ですよね。
外れないまま放置すると指が壊死してしまう危険性や、工具で外した場合に手や指にケガをしてしまう可能性も。
安全性を考えて、スポーツや重い力仕事の際などでは外しましょう。
つけたまま指を骨折などケガをして、外れない!なんてことになると大変危険です。
また、つけたままにしないことも大事です!
指輪は長くつけたままにすると、体型の変化や気温などの外的要因で、外れなくなってしまうことがあります。
購入時には簡単に外れない、ピッタリすぎるサイズ感のものは選ばない方がいいです。
■ 人体への影響
タングステンは人体へ有害な物質で危険、と言われることがあります。
しかしこれは体内にタングステンが入った場合には有害な物質として危険性がありますが、身に着ける分には問題ないとされています。
当然のことですが、口の中に入れたり、舐めたりすることはやめましょう。
また、舐めてしまう恐れのある赤ちゃんや乳幼児と接する機会がある方にはオススメしません。
もちろんそういったお子様がいるご家庭で、手の届く場所に保管することも危険です。管理にはご注意を。
■ サイズ直しは難しい
何度も言っている通り、加工が難しいので、そもそもサイズ直し出来るお店がとても少ないです。
どこのブランドの商品かにもよりますが、サイズを直す工賃より新しく買う方が安くなることも。
指輪のサイズ直し修理を行うお店は多くありますが、タングステンのサイズ直しをしてくれるお店はかなり少ないです。
サイズ直しをする前提での購入はやめた方がいいでしょう。
(なので正確な指輪サイズがわからない時の、サプライズプレゼントには特にオススメしません。)
【5】最後に
タングステンの指輪、いかがでしたでしょうか?
銀や金のリングとは異なる魅力をお伝え出来ていれば幸いです。
タングステンの指輪は、安価でペアリングとして売られていることも多いので
初めてのペアリングにしてもいいですね。
では、よきタングステンライフを!
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